2017年に10週年を迎えるiPhoneシリーズですが、その集大成であるiPhone8に搭載されるプロセサーはA11だとされています。一つ前の機種に搭載されているA10プロセサーも安定したパフォーマンスで評価されていましたが、今回のiPhone8用に開発されたA11はA10に比べてどのような特徴やスペックの向上点があるのでしょうか。A10プロセサーを生産した会社が引き続きA11プロセサーを生産する事がきまり、もうすぐ発売が発表されると期待されているiPhone8は物理的なホームボタンを廃止し、ベゼルがとても薄い仕様のディスプレイになるといわれていますが、確実な事は高性能のA11プロセサーが搭載されるという事です。A11の性能としてA10をふまえて予測されているものは、10nmのプロセスルールで製造してGalaxyS8に搭載予定のSnapdragon835の性能を上回るとされています。
www.trustedreviews.comより
まず、iPhone8に搭載されるA11プロセサーのプロセスルールである10nmと言う数字の凄さについて説明します。プロセスルールとは集積回路、一般にICチップと呼ばれる電子部品をウェハーと呼ばれる半導体素子の材料に製造する条件の事をいい、最小の加工寸法を用いて表記します。このプロセスルールによって回路上の阻止や配線など細かいデザインが決定されます。プロセスルールは通常は配線の幅や間隔を指す事が多く、その間隔が小さければ小さいほどにチャンネル抵抗が小さくなってトランジスタの高速動作を期待出来るようになります。このような理由によりプロセスルールの数字は直接的に性能の期待を上げる事になっており、現在では10nmという超微細な間隔となっています。次に開発されるであろうプロセスルールは7nmといわれており、その次の5nmのプロセスルールで技術的な限界が来るともいわれています。プロセスルールが半分になると単純に同じ面積上にトランジスタを4倍も配線や配置する事が出来るのでトランジスタの数を調整すると一気に小型化する事も可能です。
Snapdragon社のオフィシャルサイトより
ハード的な面ではプロセスルールが大きなアドバンテージで、動作の比較としては今回のiPhone8と比較対象にあるGalaxyS8に搭載されているSnapdragon835を参考にご紹介します。Snapdragon835もプロセスルールは10nmで製造されており、こちらも文句なしのハイエンドプロセサーなのでスペックに関しては現在の最高峰でしょう。Snapdragon820比較で35%の縮小に成功しており、CPUの処理速度は20%向上してGPUでは25%も向上していると発表されました。この35%の縮小は搭載される機種において従来と比べ圧倒的にバッテリー容量の向上やレイアウトの改変などたくさんのメリットがあり、単に小さくなっただけとは言い切れない強みがあります。処理速度もCPUとGPUどちらをとっても大幅に向上しているので、重い処理をさせたとしてもラグが発生したり処理しきれず固まる事など全く無いでしょう。無線通信においても1Gbpsに対応しているので、従来とは比べ物にならない高速通信を実現しています。これらを踏まえるとSnapdragon835のパフォーマンスすべてを凌駕するコンセプトで開発されているA11プロセサーがいかに素晴らしいスペックをもって採用されるかが簡単に想像できます。iPhone8は世界中で期待されている最新のiPhoneだけに性能面でも今までにはないパフォーマンスが期待されています。その期待に十分応える事ができ、それ以上のパフォーマンスを体感できるものがA11ではないでしょうか。
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Jun 15,2017 17:56 pm 編集者 小池由貴 カテゴリー iPhone8特集
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